happy birthday, todoroki shouto! ♡ (1.11)
都市の盛衰は企業経営と同じく、各種の“業績指標”で測れる。失業率、生活保護率、犯罪発生率、学力などの指標の変化を過去と比べ、他都市と比べて分析すると優劣は一目瞭然だ。日本で勢いのある都市と言えば、おそらく福岡、京都、横浜である。だが、今、最も注目すべきは大阪である。大阪は長年、衰退の一途をたどり、各種指標が軒並みワーストランキングの上位にあった。しかし最新の指標をチェックすると、ついに底入れし、すべてが大きく好転しつつあると分かった。
大阪の復活の背景に何があるのだろう。好景気やインバウンドの復活にも助けられたが、官民を挙げての努力の成果が大きい。
大阪府と大阪市は先月20日、「副首都推進本部会議」を開催し(http://www.pref.osaka.lg.jp/renkeichosei/fukusyutosuishin/fukushuto16.html)、橋下知事就任(2008年2月)後の約10年間の改革の成果を点検した結果を公表した(「改革評価プロジェクト」(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/27077/00309833/shiryo6-1.pdf ))。これを手掛かりに都市「大阪」の再生の実態を見ていきたい。
●“大阪問題”の悪循環から脱却
大阪は長らく三重苦(“大阪問題”という)に悩んできた。すなわち、大企業本社の首都圏への流出、一人当たり所得の減少、さらにこれらに由来する税収減と財政赤字の拡大である。企業の業績が悪化すると住民の雇用と所得も悪化する。すると税収も減り、一方で生活保護費など社会福祉の出費が増大する。それでますます財政が窮乏化する。それでインフラ投資が遅れ、企業誘致などでも不利に働く。
筆者は大阪府市の特別顧問である。今回の「改革評価プロジェクト」のアドバイザーを務めたが、2014年にも府市統合本部の「改革評価プロジェクト」を担当、統括した。その際には大阪の三重苦問題が如実に浮き彫りになった。府市ともに行政改革など各種改革には着手していた。だが、経済指標や社会指標のレベルではまだ成果が十分には確認できなかった。それから4年を経て、今回改めて評価したところ、状況は大きく好転していた。“大阪問題”の三重苦は底を打ち、悪循環を脱しつつあるとわかった。
●経済指標と社会指標の変化
大都市・大阪の活力はおもに企業活動に依存する。有力企業が地元にとどまり、利益を上げていることが先決だ。それが雇用と所得の底上げ、ひいては生活保護、犯罪、学力など社会指標の改善につながる。4年前の大阪はひどかった。失業と生活保護が全国でも有数に多く、それが離婚、犯罪、自殺等に直結し、“貧すれば鈍する”状態にあった。
今回、調べてみると企業収益、雇用、年収、健康、学力、犯罪などほとんどの指標が好転していた。例えば景気動向指数は09年から全国平均を大きく上回る形で次第に好転し、18年8月には130.9と全国(102.7)を28.2も上回った。有効求人倍率も13年に1.0を超え、2017年以降は全国平均を上回る。新規開業率も高く、2016年以降は東京、愛知や全国平均を大幅に上回る。オフィスの空室率は底値から76%も下がり、直近では2.96%である。
3大都市の地価上昇率では大阪市は4年連続1位を記録し、17年には全国の上昇率の上位から5位までを大阪市が独占した。大阪市への人口流入も続いており、2017年、大阪市は政令指定都市の中で最も人口流入が多かった。とめどなく増え続けていた生活保護の対象者も2012年をピークに減り始め、全国平均との差が縮まり始めた。平均寿命と健康寿命も大阪は全国でも最下位に近かったが、それぞれ伸び、全国平均との差が縮まり始めた。小中学生の学力テスト(数学・国語)の結果も好転し始めた。犯罪も08年の約半分に減った。そして大阪府と大阪市の財政状況も依然、苦しいものの大幅に改善した。
●4年前よりも成果が明確に
こうした大阪の好転は、やはり「大阪維新」(08年2月の橋下知事就任から今日までの一連の動き)に由来するといえるだろう。大阪府と大阪市の政治はこの10年間、おおむね地域政党「大阪維新の会」が主導してきた。同会が進めてきた改革は、たとえば府議会の定数を2割削減するなど大胆なものが多い。改革の対象もいわゆる行政改革にとどまらない。教育や子育て支援策など国の政策改革を先取りした見直しや、長年滞っていたインフラ投資(鉄道新線建設や延伸)の再開など膨大な範囲とボリュームにのぼる。今回の改革評価の作業も府市の事務方と筆者が共同して行ったが、ほぼ半年以上かかるほど広範かつ全国初の斬新なものが多かった。
前回の14年の改革評価プロジェクトでは「補助金や人件費の抑制など役所の改革、いわゆる行政改革は結構進んだ。しかし役所の外の大阪の街はまだまだ大変な状態」という総括がされた。だが、その後は2015年の再度のダブル選挙(橋下市長が退任し、吉村市長と松井知事の体制が誕生)以降、府市が一緒になって様々な都市の経営課題に取り組んできた。今回18年の改革評価ではその成果が数字で確認できた。
●改革は10年で3段階に進化
この10年間の経過を見ると、首長選挙ごとに改革のレベルが進化した。最初の「改革I期(08~11年)」は橋下知事の誕生に始まり、まずは大阪府庁が自らのあり方を正すこと、すなわち役所の仕事のやり方の改革と財政再建に取り組んだ。ただし、大阪の活力の要となる関西空港の再生と教育改革の2つには早くから着目し、国も巻き込んだ制度改革案や関空伊丹の経営統合を導いた。
やがて橋下知事は大阪の都市問題は府庁だけでは解けない、道州制の前段階として大阪市と大阪府の統合が必要という考えから都構想を掲げる(10年)。そして地域政党「大阪維新の会」をベースに大阪にも都区制度が導入できるよう国に働きかける。おりしも大阪府と大阪市との水道事業の統合協議が決裂していた。そして11年秋のダブル選挙では松井知事と橋下市長のツートップ体制が実現し、「改革第II期(11~15年)」に入る。松井知事と橋下市長がツインエンジンになり、府と市の足並みをそろえ、カジノを含む統合型リゾート(IR)の推進や産業政策などが動き出した。同時に大阪市の地下鉄、府と市の水道、下水、大学などの経営形態の見直しが始まった。
それが「第III期(15年~18年)」に形となった。例えば地下鉄は18年4月に民営化され、上下水道のコンセッション(運営権の民間委託)や府市の大学統合も決まった。つまり「第III期」の橋下市長と松井知事の時代に設計された民営化改革や統合の案件が、長い政治的折衝を経てついに吉村市長の時代に入って実現した。
このようなツートップを中心とする大阪府市の一体感は、対外的にもプラスに作用し、国際博覧会(万博)や20カ国・地域(G20)首脳会議の誘致、そして今後のIR誘致にもつながりつつある。
ちなみに、万博やIRで注目したいのは、目先の経済効果よりも大阪の経済を国際経済と直結させる契機としての意義である。大都市大阪の命運はグローバル経済といかにつながるか、にかかっている。G20、万博、IRの3つをホップ・ステップ・ジャンプとして、そして関西空港をテコに海外の経済成長と大阪のまちをつないでいく。そういう意味の戦略展開の準備が整いつつあるといえよう。
●今後の課題はグローバル経済との連携体制づくり
しかし、いい循環の定着は簡単でない。次の「改革第IV期(2018年~)」では特に海外からの民間投資の呼び込みが重要となる。世界の経済は“石油と電気”の時代から“シリコンとデータ”の時代に転換しつつある。これにつながる企業と高度人材を内外から呼び込んでくる。そういう高度人材が魅力的に思うまちづくり、そして地元の人材の育成をする。「改革第III期」はインバウンドの観光客に支えられ、大阪の経済は活性化した。しかし「改革第IV期」では海外の先端企業が大阪に投資し、一緒にビジネスをする流れをつくっていく必要がある。さもなければ、各種指標をさらに好転させるのは難しい。
●ツートップを一元化する制度改革が必須
この10年は「大阪維新の会」を旗印に、首長2人が同じ方向を向き、大阪市役所と府庁が一緒に動けた。しかしこれはたまたま両首長が同一会派から出ており、そして両者の関係が良好だったからだ。今後、もし政治信条が異なる知事と市長になると、たちまち崩壊する。ツートップの連携体制を制度として定着させるにはやはり府と市の統合、つまり「大阪都」構想の実現が必要となろう。
●府民生活の充実と市町村との水平連携
さらに「改革第IV期」で取り組むべき課題は、大阪府と大阪市がその他の市町村と連携し、あるいはテコ入れし、大阪全体を底支えしていく仕組みづくりである。例えば救急、消防、水道は東京では東京都の下にほぼ一元化できており、スケールメリットが出ている。しかし、大阪では市町村ごとにばらばらで効率が悪い。
大阪府庁と大阪市役所はこの10年でかなり変わってきた。しかし周辺の市町村の中には昔のままで遅れたところもある。これらは府がリーダーシップを発揮し、大阪市の優れた実務家部隊の助けを借りて府市が一緒に引っ張っていく。そういう意味では「改革第III期」までの府市連携に加え、「改革第IV期」では、市町村間の水平連携に視野を広げていくべきだろう。それが経済の活性化の恩恵を広く住民生活に行き渡らせていく(トリクルダウン)うえでも大切になってくるだろう。
沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で11日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。10日にも確認しており、尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは2日連続。
第11管区海上保安本部(那覇)によると、4隻のうち1隻は機関砲のようなものを搭載していた。巡視船が、領海に近づかないように警告した。
ロンドン=清宮真一】安倍晋三首相は10日午後(日本時間11日未明)、英国のメイ首相と会談した。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、防衛や第三国でのインフラ協力など幅広い分野で日英が「最も親密な友人でありパートナー」として連携する方針を確認した。安倍首相は3月末に迫る英国の欧州連合(EU)離脱をめぐり、「合意なき離脱」の回避を目指すメイ氏に対する支持を表明した。
近く行われる可能性がある米朝首脳の再会談を踏まえ、北朝鮮が保有する核兵器とミサイルの「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を求めていく方針でも一致した。
安倍首相は会談後の共同記者会見で「日英関係はかつてないほど進展し、(1902年締結の)日英同盟以来の親密な関係を構築している」と述べた。メイ氏は「安倍首相の英国訪問は非常に重要な時期になった。われわれの視野が世界全体に広がっている今、日本との関係はますます重要になっている」と語った。
両首脳が発表した共同声明は「戦略的パートナー」としての両国関係を新たな段階に格上げし、英国のEU離脱を「次の10年の課題と機会を見据える」好機として関係を深化させることを確認した。
中国を念頭に、東シナ海や南シナ海の状況に懸念を表明し「現状を変更しようとし、緊張を高める一方的な行動に強く反対」した。
防衛協力では、東京で今春、外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)を開くことで合意したほか、インド太平洋地域や欧州で自衛隊と英軍の共同演習を増やすことを申し合わせた。
英国が、海軍艦艇「モントローズ」を早期に日本に派遣し、北朝鮮による違法な物資の移し替え「瀬取り」など、北朝鮮関連の違法な海上活動を監視することも決めた。
共同声明には2020(平成32)年東京五輪・パラリンピックを見据え、サイバー対策も明記。「国家の無責任な行動を非難する」とし、知的財産保護のための協力強化を確認した。日本など11カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加意欲を示す英国を支援する方針も示した。
首相の訪英は17年4月以来で、メイ氏との首脳会談は7回目。首相は11日午後に帰国する予定。
記者会見する菅義偉官房長官=11日午前、首相官邸
菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で、韓国の文在寅大統領が10日の会見で元徴用工訴訟をめぐり日本政府を批判したことに対し、「韓国側の責任を日本側に転嫁しようというものであり、極めて遺憾だ」と述べ、強く反発した。その上で日韓請求権協定に基づく協議を韓国政府が受け入れるよう迫った。
戦時中の請求権問題の完全かつ最終的な解決を明記した1965年の同協定について、菅長官は「司法府も含めた当事国全体を拘束する」と指摘。韓国最高裁が新日鉄住金に元徴用工への賠償を命じた判決に関し、「韓国側によって協定違反の状態がつくり出されている」と強調した。「協定違反の状態を見直すべく責任を負うのも当然ながら韓国側だ」と述べ、韓国政府の善処を求めた。(2019/01/11-11:34)
積水ハウス」が地面師グループに63億円をだまし取られた事件で、主犯格とみられるカミンスカス操容疑者がフィリピンで拘束された。この男の過去と逮捕に至るまでの「豪遊と逃亡劇」を、『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』を著したジャーナリストの森功氏が追った。
容疑者は、小山操こと小山武こと、カミンスカス操――。
フィリピンから日本に移送された場合、逮捕状や身柄の勾留状における当人の呼び方はそうなるのだろう。
63億円もの大金を騙しとった「積水ハウスの地面師事件」で、主犯格の一人として注目を集めてきたカミンスカスが12月19日、マニラの入管当局に身柄を拘束された。警視庁捜査二課が日本の領空に入り次第、事件における17人目の容疑者として逮捕する見込みだ。
カミンスカス操は、11月13日午前1時15分羽田空港からマニラ空港へ高飛びした。警視庁はその3日後の16日、なりすまし役の羽毛田正美ら8人を逮捕したが、積水ハウスの交渉現場に登場していた主犯の一人を取り逃がしたことになる。
結果、カミンスカスは国際刑事警察機構(International Criminal Police Organization=ICPO)制度によって国際指名手配されてきた。国際手配は容疑の軽重によって段階があり、殺人などいちばん厳しい「赤色(レッドカード)手配」以外は、海外で発見してもすぐに逮捕できない。有印私文書偽造や公正証書原本不実記載容疑で逮捕状の出ているカミンスカスは、そのワンランク下の「青色(ブルーカード)手配」である。
この間、日本の警察は本人の潜伏状況を把握してきた。カミンスカスがかつての〝フィリピン妻〟と連絡を取り、リゾートホテルを転々としていることも知っていたが、手が出せないでいた。出頭するよう、説得してきたという。
むろん、せっかく高飛びした当人はなかなか当局の説得に応じない。だが、すでに観光ビザの滞在期限が切れている。そうして滞在69日目、フィリピン当局と連携し、強制的に〝出頭〟させ、身柄を押さえたのである。
小山操は1959年高知県南国市生まれの59歳。地元の高校を卒業後、上京したと知人がいう。
「大学を受験したようですが、失敗したと思う。本人は東京電機大に行ったとか、山野愛子美容スクールに通ったとか言っていますが、真偽のほどは不明です」(知人A)
別の知人Bによればこうも話した。
「若い頃、新宿を根城にしてきた右翼団体S塾にいた時期もありました。なんでも国税当局にパイプがあるという触れ込みで、その関連団体が手掛けた六本木の地上げに関する税務対策をしていたといいます。またゲームメーカーの税務コンサルタントとして、年収5000万円くらいのときもあったようです」
拙著『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』でも書いたが、そうした財務税金対策のノウハウを見込まれ、新興マンションデベロッパー「ABCホーム」で財務部長や営業本部長として奔走した。ABCホームは1994年に塩田大介が設立し、バブル崩壊後に売れ残った大手不動産業者の在庫物件を「ドメインシリーズ」と命名して低価格で転売し、利益をあげていった。
全盛期は東京・西麻布の5階建てマンションを一棟まるごと買い取り、「迎賓館」と称して豪華なゲストハウスに改装して有名人を招き、評判になった。
塩田は08年12月、東京地検特捜部に法人税法違反(脱税)容疑で逮捕され、執行猶予付きの懲役2年の有罪判決を受けたのち、11年9月には西麻布の自宅前で暴漢に襲われた。この塩田といっしょに脱税で逮捕され、懲役6月の実刑となったのがカミンスカスだ。
カミンスカスはABCホームにいた時代から地面師たちと接点を持っていったのかもしれない。実はABCホーム当時、営業部長としてカミンスカスといっしょに働いていたKも、『地面師』で紹介した中野弥生町で起きた別の地面師事件に登場している。先の知人Aはこうも話した。
「小山(カミンスカス)はABCホームの事件で実刑判決を受けて服役したあと、不動産ブローカーに転じました。ただ、あまり金回りはよくありませんでしたね。カネに困って転がり込んだ先が、サハダイヤモンドビルの土井淑雄のところでした」
繰り返すまでもなく土井もまた、積水ハウス事件で16人目に逮捕された。積水が払い込むためのなりすまし役の銀行口座を用意し、騙し取った63億円を分配した主犯の1人である。墨田区にあるサハダイヤモンドビルには、その土井の会社「ビショップ・パートナーズグループ」があり、いわば地面師や事件屋たちの巣窟になっていた。
ちなみにみずほ銀行の曰く付き行員もこのビルに事務所を構えていたが、そのビルの3階を間借りしていたのがカミンスカスで、積水ハウス事件の謀議がここで繰り返された。先の知人Aが続ける。
「小山はサハダイヤビルに『マリア』や『アレキサンドラ』という社名で事務所を構えていましたが、最初は金がなく事務所で寝泊まりしていました。風呂代わりにサウナに出かけていたり。それが積水事件後には一挙に金回りがよくなり、浅草や錦糸町のフィリピンパブ通いを始めるようになったのです」(知人A)
ひと晩に100万円以上も使う小山ことカミンスカスのフィリピンパブ通いは、これまで幾度となく報じられてきた。経営する「マリヤ」や「アレキサンドラ」という社名は、こうした外国人パブやクラブでカミンスカスの担当ホステスとして付き合っていた彼女たちの名前からつけたという。
「本人は英語もフィリピンのタガログ語も、もちろんロシア語もできないけど、外人が好きなのでしょうね」(知人A)
結婚歴は少なくとも3度あるという。最初は日本人で、二度目がフィリピン女性、3人目が錦糸町のインターナショナルクラブで働いていたリトアニア人のリタ・カミンスカスだという。
彼女とは今年3月に入籍した。念を押すまでもなく、小山からカミンスカスと姓を変えたのはその結果である。このときすでに逮捕情報が流れていたので、小山操では目立ちすぎ、海外逃亡が難しいので新妻の姓を借りたのだろうか。もっともパスポートの姓は小山のままなので、さほど深い意味はないのかもしれない。
逃亡先のマニラには、かつて結婚していたフィリピン女性がおり、当地には2人の子供も住んでいるという。高飛びするにあたり、カミンスカスはそこを頼った。だが、彼女はすでに再婚していたそうなので、迷惑だったに違いない。
むろん警察はこうした状況についてもすべて把握したうえで、カミンスカスを追い続け、ようやく逮捕にこぎ着ける。
しかし、この先の捜査はそう簡単ではない。
事件の前まで小山操という名だった本人は、積水ハウスとの交渉のときは小山武と名乗り、さらに逃亡前にカミンスカスと改姓した。名を変えることなど何の抵抗もない。
当のカミンスカスは報道陣に対し、例によって「俺もなりすましだとは知らなかった」と言い放って高飛びした。
警視庁の威信がかかっている捜査における最大の難関が、騙し取った63億円の行方の解明である。このカミンスカスをはじめ、シラを切り通す内田マイクや土井淑雄、北田文明ら、首謀者4人の大物地面師たちをどこまで落とすことができるのか。
(敬称略)